
〜失敗と成功の分かれ道〜
30代独身、人見知り男・翼のリアルな焦り
「先輩…正直、もう焦ってますわ。」
35歳、独身、人見知り。これがワイの後輩・翼のプロフィールや。
普段はめちゃくちゃ真面目で礼儀正しいやつ。でも、恋愛とか結婚の話になると、とたんに口数減るタイプや。
昔は「まだ若いっすから!」って笑っとったけど、35歳目前になって急に表情変わった。
理由はシンプルや。職場の同期、大学の友達、みんな結婚して、子どももできてる。年賀状に子どもの写真が並ぶ中、自分だけ「彼女いません」の現実に直面したんやな。
しかも、出会いがない。職場は男ばっかり、趣味はインドア寄り。マッチングアプリもやってみたらしいけど、「文章でやりとりできても、会った瞬間の沈黙が地獄っす…」って嘆いとった。
そんで、ある日ふと相談してきたんや。「先輩、結婚相談所ってどうなんすかね?」って。
最初はワイもびっくりしたけど、真剣な顔してたし、「ええやん、動いたもん勝ちやで」って背中押したんや。
こうして、翼の婚活が本格的に始まったんや――
活動中に感じた婚活市場の現実
結婚相談所に入会した翼は、最初はちょっとウキウキしてた。
「先輩、プロフィールちゃんと書いたら、けっこう申し込み来るっすね!」
って言うてたし、プロのカメラマンに撮ってもろたプロフィール写真も、ええ感じやったんや。
けどな、それは最初だけやった。
実際にお見合いの申し込みを受けて、会って、話して――って流れになると、
現実は思ってたよりシビアやったらしい。
たとえば、第一印象がめっちゃ大事。写真では「誠実そう」って言われてても、実際に会ったときに会話がうまくいかんと、一気に“なし”判定される。
人見知りな翼は、初対面の女性相手やと特に緊張して、話題が出てこんようになるんや。
「何しゃべったらええか分からんっす…」
「沈黙になると、もう頭真っ白なんすよ…」
って、毎回へとへとになって帰ってきとった。
あと、年齢の壁もあったみたいや。
相談所の女性会員は、30代前半の男性を希望する人が多くて、35歳の翼はギリギリのライン。
「年収もルックスも普通な俺って、条件で見たら不利なんすね…」って、しょんぼりしてた。
プロフィールでいい感じでも、実際のやりとりでフェードアウトされる。
「何がアカンかったんやろ…」って悩む日々。
婚活市場では“普通”って、実はあんまり武器にならへん。
それを、翼は活動しながら痛いほど感じてたんや
失敗談(うまくいかなかった理由)
翼が結婚相談所で一番つらかったんは、3人目に会った女性とのお見合いやった。
その人は、同い年の35歳で、プロフィール写真も明るい感じ。翼も「この人なら話しやすいかも」って、けっこう期待してたんや。
ところが当日、完全に空回りした。
カフェで待ち合わせして、挨拶して、席に着いたまではよかったんやけど――
「何話せばいいんやろ…」って顔に出てたらしくて、最初の会話でつまずいたらしい。
相手の女性はニコニコしてたけど、会話のキャッチボールがまるで続かん。
趣味の話を振られても、
「映画とか…まあ、観ますけど…」みたいに、声が小さくて内容も薄い。
「仕事はどうですか?」って聞かれても、
「まあ、普通ですね…特に変わったことは…ないです…」
って感じで、相手からしたら「この人、興味なさそう」って思われても仕方なかった。
後日、相談所のスタッフからフィードバックがあって、
「お相手の女性は“会話が盛り上がらず、楽しい印象が持てなかった”とおっしゃってました」とのこと。
翼はめっちゃ落ち込んでたわ。
「せっかくのチャンスやったのに…やっぱり俺、向いてないんすかね」
って、LINEでポツリと送ってきた。
でもな、ワイはそのとき本気で言うたんや。
「失敗はチャンスや。何がアカンかったか分かったなら、そこを直せばええだけやろ」
失敗は恥ずかしいことやない。
同じことを繰り返すほうが、ずっと損や。
翼も少しずつ気持ちを切り替えて、そこから本気で“改善”に乗り出すようになったんや。
そこから改善して成功につなげた工夫
あの3人目との失敗から、翼はだいぶ変わった。
「このままやと一生独身っすね…」って自虐まじりに言いながらも、ちゃんと“何がアカンかったか”を整理して、対策を練り始めたんや。
まず取り組んだんが、会話力の強化。
といっても、いきなり饒舌になれるわけちゃうから、相談所のスタッフに頼んで「模擬お見合い」やってもろて、練習したらしい。
あとは、ワイに何回も練習相手頼んできた。
「先輩、仕事の話振ってください」
「趣味について話す練習したいっす」
って、晩メシ一緒に食いながら、お見合い想定のロールプレイを延々やったこともある。
ワイが冗談まじりで言うたんや。
「“普通です”って答えたら、“普通ってなんやねん”ってツッコまれるで」
そしたら翼、
「ほんまそれっすね…じゃあ“普通の中でも○○な部分が気に入ってます”って言い直しますわ」
って、地味に成長していったんや。
それだけやない。
● プロフィールの見直し
文章が堅すぎたから、少し柔らかくて自然な表現に変更。
相談所の人に添削してもらって、「自分の言葉」で伝えるようにした。
● 服装のアップデート
今まで無難すぎた私服を、婚活向けにコーディネートしてもらって一新。
「それっぽく」見せるって、意外と大事やねん。
● デートの予習
行く場所の下調べ、メニュー、会話のネタ、全部メモして準備してた。
努力型の人見知りにとって、これはめっちゃ効いたみたいや。
これらを地道に積み上げた結果、5人目に会った女性とのお見合いで、ついに風向きが変わった。
「先輩…自然に笑えたんすよ。あれ初めてでしたわ」
って言うてたときの翼の顔、めちゃくちゃ晴れとったで。
婚活で学んだことや気づき
最終的に翼は、その5人目の女性と真剣交際に進んで、今は結婚前提で同棲中や。
ほんま、最初の頃の「沈黙しかなかったお見合い」からしたら、見違えるような成長ぶりやと思う。
そんな翼が、婚活を通じて学んだこと。それは――
「自分を変えようとする勇気が、一番大きな武器になる」
ってことやった。
人見知りでも、口下手でも、正直者でも、ええねん。
大事なんは、「うまくいかへん」って分かったときに、投げ出さずに“何が足りんのか”考えて、素直に動けるかどうか。
翼は失敗を責めず、「失敗の理由」に向き合ったからこそ、変われた。
変わったからこそ、「自然に笑える相手」に出会えたんやと思う。
それに彼はこうも言うてた。
「婚活って、最初は“選ばれる”って感覚でした。でも途中から、“相手を知ろう”って思えるようになったんすよね。そしたら、自然と会話も楽しくなってきたんです。」
これ、めっちゃ大事な気づきやと思う。
“自分をよく見せる”ことばかり考えてるうちは、空回りする。
“相手を知ろう”って視点に変わったとき、ほんまの意味で婚活が進み始めるんやな。
30代、人見知りでも婚活はできる!
翼の婚活は、けっして順風満帆やなかった。
むしろ最初は、うまくいかんことだらけで、自信もズタズタやった。
でも、そこからちゃんと“自分の課題”に向き合って、ひとつずつクリアしていったことで、ほんまに大事な人に出会えたんや。
30代、人見知り、恋愛経験も浅い――
そんな条件やと、不利に思えることもあるかもしれへん。
けど、「変わりたい」っていう本気の気持ちと、少しずつでも動く努力があれば、幸せに近づいていける。
ワイはその姿、後輩・翼を通じて目の当たりにしたんや。
もしこの記事を読んでる30代の男性が「自分もそろそろ動かなあかんな」と思ってるなら、
大丈夫や。ゆっくりでもええ。失敗してもええ。
ほんまの出会いは、その先にあるで。


