
結婚相談所体験談、30代女性
はじめに
私は30代半ば、結婚してもうすぐ5年になります。
夫は長男で、結婚前は正直、長男との結婚ってどうなんだろう…って不安もありました。
「長男」と聞くと、家の跡取りとか介護の責任とか、なんだか重たいイメージがあって。
でも実際に一緒に暮らしてみると、想像以上に家族を大切にする優しさや責任感があって、その面ではすごく安心できました。
とはいえ、期待やプレッシャーも多くて、自由にできないこともある。
そんな長男との結婚のメリット・デメリットを、自分の体験を交えながら本音で話してみたいと思います。
これから長男との結婚を考えている人や、同じ立場の人に届けば嬉しいです。
メリット1:家族思いで責任感の強いパートナー
結婚してすぐのころ、夫が「親父が腰痛いって言ってたから、病院連れて行くわ」って何気なく言ったんです。
私はそのとき、「ああ、この人は本当に家族を大事にしてるんだな」って思いました。
長男って、やっぱり小さいころから「しっかりしなさい」と言われて育つことが多いみたいで、うちの夫も例外ではありませんでした。
義父母の体調や家の用事に対しての反応が早いし、何より「自分がやらなあかん」っていう責任感がすごく強いんです。
それって、私たち夫婦の生活にもすごく影響していて、たとえば家計の管理や将来設計なんかも、彼のほうから真剣に話を切り出してくれることが多いです。
こっちがグズグズ迷ってるときも、冷静に引っ張ってくれる感じ。
最初はちょっと「まじめすぎるかな?」なんて思ったけど、長い結婚生活ではこういう堅実な性格が頼もしく感じるようになりました。
「この人となら、いろんなことがあっても乗り越えられるかも」って、ふと思える瞬間があるんです。
メリット2:伝統や行事への積極的な参加
うちの夫、年末年始とかお盆になると、率先して実家に連絡するんです。
「今年はいつ集まるん?」って。
最初はちょっと驚きました。私の家ではそういう行事に、そこまで積極的じゃなかったから。
でも、夫の実家ではお正月の集まり、法事、誕生日、地域のお祭り…とにかく“家の行事”を大切にしていて、夫もそれが当たり前の感覚みたいです。
お正月は義実家でおせちを食べて、親戚が集まってワイワイやるのが毎年恒例。最初は緊張したけど、夫が間に入ってフォローしてくれるから、私も少しずつ慣れてきました。
ありがたかったのは、「来てくれてありがとう」って、義母がいつも私に声をかけてくれること。
それに対して夫が「そら来るやろ。ウチの大事な人やもん」って言ってくれたとき、なんだかすごく救われたんですよね。
“家を守る”とか“しきたりを受け継ぐ”って、正直ちょっと古い考え方だなと思ってたけど、実際にやってみると、悪くない。
家族の絆とか、時間の積み重ねを感じられて、今ではちょっと楽しみになってきたくらいです
デメリット1:義実家からの期待やプレッシャー
結婚してしばらくは、義実家との関係もうまくいってると思ってました。
でも、ある日、義母に言われたんです。
「うちの子は長男やからね。あんたもその覚悟があると思ってたわ」って。
一瞬、心がピキッと音を立てた気がしました。
もちろん、「覚悟がない」わけじゃない。
でもその“長男の嫁”っていう響きには、私の知らないルールや空気がいくつも詰まってる感じがして、正直、重かったんです。
たとえば、年末年始の帰省。私はたまには実家に帰りたいのに、「正月はこっちに決まってるやん」と当たり前のように言われる。
義母は悪気ないんだと思う。だけど“暗黙の了解”がどんどん積み重なって、気がついたら私だけが我慢してる。
あと、何かにつけて「長男なんやから」が枕詞になるんですよね。
引っ越しのこと、車のこと、義実家の掃除まで…。それ全部、私たち夫婦の生活のことなのに、「長男だから」は全部を正当化してしまう。
夫はなるべく私の味方になろうとしてくれてるけど、根っこのところで「実家優先」が染みついてる部分もある。
それを責めたくないけど、何とも言えない孤独を感じるときがあるんです。
デメリット2:将来的な介護や同居の課題
結婚して3年が経ったころ、義父の体調が崩れたのをきっかけに、「そろそろ2世帯にしたほうがええかもな」という話が夫の口から出ました。
正直、心の中で「えっ、もう?」と思ったんです。
夫は長男だから、将来的に親の面倒を見るのは自然なこと、という感覚があるみたいで。
私もそれを全否定するつもりはないけど、「私たちの生活はどうなるの?」っていう不安のほうが先に来てしまいました。
義母はまだ元気だけど、家事の手伝いや病院の送迎なんかを少しずつ頼まれるようになってきて、これが数年後には“介護”に変わるんだろうな…と、なんとなく想像がつく。
何より怖いのは、「これから何十年、義実家の近くで暮らすのが前提」みたいな空気が、話し合いもなく進んでいくこと。
まだ子どももいない私たち夫婦の将来設計が、どんどん“親ありき”になっていくのが、たまらなく不安なんです。
夫にその気持ちをぶつけたこともあります。
「親のことは大事にしたいけど、私は“介護要員”として結婚したんじゃない」って。
そのとき夫は黙って、しばらくして「ごめん。ちゃんと話し合おう」って言ってくれました。
でも、こういう問題って、ただの“気持ち”だけじゃ片づかない現実があるんですよね。
デメリット3:後継を産むことへのプレッシャー
結婚して1年目の夏。義母と何気ない会話をしていたときのことです。
「うちは長男だけやし、やっぱり孫の顔が見たいなあ。できたら男の子やと嬉しいけど」――そんな言葉が、サラッと、でも深く突き刺さりました。
冗談交じりのように聞こえるけど、私にはそれが“義務”に変わる瞬間だったんです。
うちはまだ子どもがいません。
夫も「焦らんでええよ」と言ってくれるけど、義実家からの視線は、年々じわじわと重くなってきているのを感じます。
特に田舎のほうだと、“長男=家を継ぐ人”“その妻=跡取りを産む人”っていう価値観がまだ根強くて、正直、つらいです。
「子どもは?」「まだ?」「できにくいの?」
そんな言葉を向けられるたびに、自分の体のことも、心の準備も、ぜんぶ無視されているような気がして、悲しくなるんですよね。
もし私が、子どもを授かれなかったら?
女の子しか産めなかったら?
そんな不安まで背負わされるなんて、誰が望んで結婚したんだろうって思うこともありました。
本当は、夫婦ふたりが幸せならそれでいいはずなのに、
「長男の嫁」という立場は、ときに“家の未来を背負わされる存在”に変わってしまうんです。
本音トーク:価値観の共有が幸せのカギ
ここまで、長男との結婚についていろいろ本音を話してきたけど、
たぶんいちばん大切なのは「夫と、ちゃんと話せるかどうか」だと思うんです。
介護のことも、実家との距離感も、子どものことも、
正直、答えなんてないし、きれいごとだけじゃ済まない問題ばかり。
でも、それを「なかったこと」にせず、夫と腹を割って話せたことで、私は少しずつ心が軽くなっていきました。
「親のことは大事。でも私たちの人生も、ちゃんと守りたい」
そう言ったとき、夫がうなずいてくれたあの瞬間。
たったそれだけで、「この人となら、やっていけるかもしれない」と思えたんです。
長男だから、こうあるべき。
嫁だから、こうしなきゃ。
そういう“役割”に縛られていたら、たぶん結婚生活は息苦しいだけになると思います。
大事なのは、家族にどう向き合うか、じゃなくて、
“私たちがどう生きていきたいか”を一緒に考えられること。
その土台があるなら、長男との結婚だって、悪くない。
いや、むしろ――
人とのつながりや、家族の意味を深く考えられる分、特別なものになる気がしています。
長男との結婚で得られるものと向き合うこと
長男との結婚は、ただ「好きな人と結婚した」だけでは済まない場面が多いと思います。
家族、しきたり、将来、介護、出産――。
どれも避けて通れないテーマでありながら、誰も「正解」は教えてくれません。
だけど、私は思うんです。
“自分がどうしたいか”を持ちながら、
“相手とどう生きていきたいか”を話し合えるなら、長男との結婚も怖くないって。
プレッシャーもあるし、時には傷つくこともあるけれど、
家族のことを真剣に考える人と人生をともにできるって、やっぱり幸せなことだと思います。
「長男の嫁」という言葉に怯える必要はない。
ただ、その立場にある自分自身の気持ちと、ちゃんと向き合っていくこと。
それが、後悔しない結婚の一歩なんじゃないかなって、私は思います。
✿ おわりに
ここまでの文章を読んでどう感じましたか?
私は長男ではありません。
だから正直、“長男の嫁”という言葉の重さや、そこにかかる期待とプレッシャーを、これまで深く考えたことがありませんでした。
でもこの記事を読んで、はっとさせられました。
「家を継ぐ」「親を看る」「跡取りを産む」――
言葉では簡単でも、それを“現実”として背負う女性の心の揺れや葛藤は、こんなにも深いものなのかと。
そして思ったのは、これは“長男との結婚”に限った話じゃないということ。
どんな立場であれ、どんな相手であれ、結婚って結局は「ふたりでどう生きていくか」を話し合い、選び取っていくことなんだと思います。
その土台がなければ、誰と結婚しても、きっとつまずいてしまう。
これから婚活を始める人、今まさに長男とお付き合いしている人にも、ぜひ知っておいてほしい。
「長男だからこうしなきゃ」じゃなく、「自分はどう生きたいか」「ふたりでどうしたいか」を丁寧に話し合える関係を築いてほしい――そう願わずにはいられません。
この記事を読んでくれたあなたに届いていたら嬉しいです。


